編込みの糸の構え方

先日リリースした編込みミトンStarriMosiですが、そのときにパターン内のチュートリアルに編込みの時の糸の構え方についての新発見があった、と申し上げました。
今日はその新知識についてレポしたいと思います。

日本のニッターさんはフランス式に編み糸を左手にかける方が多いので、日本で出版された本には編込みの配色の糸を右手にかけましょう、と書いてあるものがほとんどですよね。このように構えると、裏から見ると地色が下側、配色が上側に渡るようになります。
日本ではこれが一般常識だと思うのですが(編み物講師のcozysunnydayさんにも聞いてみました)、StarriとMosiのチュートリアルには、「下側で渡した色が優って出ます」、と書いてあるのですね。
cozyさんはまた賢くなった♪と素直に思われたそうですが、haruhinaさんと私はかなりの衝撃を受けました。チュートリアルに載っている写真も、配色を上側で渡した場合と下側で渡した場合では、模様の出方の差が明らかなのです。
と言うことは、配色が上と習って来た日本のニッターさんは模様が目立なくって、損をしているということ?!
これは皆さんにお伝えしなければならないと思い、編込みが下手ながらも実例写真を作ってみました。

以下、ミトンのパターンのチュートリアルに倣って、下側で渡す目立つ方の色を「優位色」(dominant color)と呼びます。

まずは結果の写真。ダークなスウィーディッシュカラー(?)で幾何学模様を編んでみました。

Jamieson’s of Shetland のSpindriftから、Peacock色とMustard色を使っています。
矢印の下側を、配色のMustardを優位色で編み、上側は地色のPeacockが優位色です。
差は微妙なのですが、下側の方が模様の目がやや大きいのがわかるかと思います。
近くで見るより、遠くから見たほうがわかりやすいので、画面から遠ざかって見てみてください。

もう1点。

こちらはHolst Garnの Supersoft、Crocus 色と Silver Grey色で、下側がCrocusを優位色に、上側がSilver Greyを優位色にしています。安全ピンが境目です。
下側を編んでいるときにすでに膨張色のSilver Greyに圧されてCrocusが目立ないな~と思っていましたが、続けてSilver Greyを優位色にして編んだら、Crocus色がさらに目立たなくなりました。

では実演。

目立たせたい色、つまり配色(ほとんどの場合)が下になるようにするのですから、両手に糸をかける場合は配色を左に、地色を右にします。
こちらは配色のMustardを目立たせたいので、左手にかけています。
アメリカ式が苦手な人(=私)は、地色が右手になるのでちょっとしんどいですね。

フランス式に左手に2本持つ場合は、配色を下(左側)に、地色を上(右側)にします。

編込みは往復編みでするものではありませんが、裏編みをする特殊な場合はこうなります(←個人的にしたくないという話)。

これも下になる方が左、上になる方が右です。両手がけにする場合も同じです。

でもそれと同じくらい大事だなと思ったのは、糸の引き具合です。いくら配色を下側にしても、糸を引きすぎた目は引っ込んで見える、というのは変わりません。
上の六角形模様の、矢印のすぐ上の六角形の真中の目は、こちらは地色を優位色にして編んでいるということもあるのですが、糸の引きすぎで(^^;)目がよく見えませんね。
修行が足りなくて申し訳ありませんm(__)m。

これを裏側から見るとこのようになります。
引き具合が揃ってませんが、それでもやっと人にお見せできる程度のものが出来ました;。

針の部分のアップ。青が上、黄色が下なのがわかるかと思います。

もう一点サンプルを編んでみました。もう少しうるさめ?な模様です。

下が配色が優位色、上が地色が優位色です。こちらは糸を引きすぎ(^^;)、というのもありますが、差はかなりはっきりとしていますね。
模様がうるさいようなときは地色を優位色にするとすっきり見えたりもするのだそうです。

最後に、糸の構え方で大事なことは”一貫性”なのだそうです。
上と下になる糸を途中で変えないようにしましょう。模様の出方が変わって来てしまいます!


とここまで書いてきて、ちょっと悔しいなと思いました。
このやり方を知っていれば、娘に編んだ編込みの帽子(→)も、お花の模様がもうちょっとはっきり出たかもしれないのに~。
残念。

 

ここまでレポしてきたことは、Yarn dominance または Color dominanceという概念(?)で知られています。
ググって見ると、2013年に出版されたMary Jane Mucklestoneさんの150 Scandinavian Motifsという本にこのことが書いてあるようで、その日づけ以降のブログ記事が多く見られましたが、言いだしっぺ(?)はAnn FeitelsonさんのThe Art of Fair Isle Knitting という本のよう(初版は1996年、Interweave Pressからです)。

以下は本家amazonのリンクです。

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